新聞事件があって、幸いにも夏休み明け一日行けば土日でまた休み、っていうラッキー。
なのに、土日は体も心も休まった気はしなくて。

鏡にうつる自分の顔にひどいくまがあったのを見て、ため息がこぼれた。


二日の休みが明けて、重く感じる足をなんとか動かし、いつも通り……より少し遅めに出ようとしたら、


『待てよ小柳』
『僕と一緒に行きましょ』
『響だけ……?俺も行きたい』


御曹司三人に行くぞ、と押され戸惑いながらも一緒の登校となった。



──学校が近くなるにつれ、生徒の姿が見えて来た時には体が強張って、無意識に視線を落としながら歩いていた。


『平気ですよ。何も言われないはずですから』
『言った瞬間潰す』
『潰すんだ……まぁ教室には颯がいるし、何かあれば俺や響のとこにも来ていいからね』


そんなわたしに、颯くんたちは優しい言葉をかけてくれる。
頼もしいさに、ありがとうと思いながらも申し訳なくて、何度も頭を下げた。


『なんかあったらすぐに琉衣さん守ってよ、颯くん』
『お前に言われるまでもねぇよ』