──ぎこちない中、まずは部屋に行かないことには何も出来ないため、二階へあがった。


「よいしょっと」


二階、八畳の一番奥の部屋。


カーテンや布団は村田さんが用意してくれたものだ。柄が同じ。

セットで揃えてくれたんだ……。


「……綺麗」


まだほとんど家具がなくて閑散としてるからか、八畳って広いのね。
アパートの部屋すっぽりかも……。


「窓もクロゼットも大きいっ。襖とは大違い」


わたしにとって未知の空間だ。

大袈裟かもしれないけど、お城気分っ。
楽しくて、クロゼットを開けたり閉めたりしちゃう。

「って……だめだ。遊んでないでちゃんと荷物整理しなきゃ」

あと、お母さんたちにも連絡忘れないようにしよっと。

わたしは鞄から日用品や制服を取り出し、片付けに取りかかった。