倒したドアの前にいる三人に目を向ければ、皆わたしのもとへと歩いて来た。


「いやぁ、帰ってきてずっと琉衣さん部屋にいるから、どうしようって話してたんです」

「響が、イチ・そっとしておく。二、声をかけてみる。サン、ドアをぶちやぶるって選択肢出してきたんだけど……まさか最後の選択肢になるとは思ってなくて。びっくりさせてごめんね」


ニコニコと笑う響くんと困ったように笑う雪さん。わたしはあいた口がふさがらないまま。



「……いらねぇ」

「え?」


颯くんが呟いた声に首を傾げると、颯くんはまっすぐわたしを見据えた。




「お前の顔が見れなくなるモン、俺はいらねぇ」



いらねぇって……顔が見れないって理由でドアを──



「……だからって壊すことないでしょうに。颯くん破壊力やばすぎです」
「は?選択肢出したのお前だろ。それに響も蹴ったろうが」
「ええ蹴りましたとも。僕もちょうど、このドアいらないなぁって思ってたところなんで」

「ドアいらないって……でも、これが強行突破ってやつかな……琉衣ちゃんの顔見れたからいいことにしよ」


よく……ないのに。
倒され、壊されたドアを見つめれば、また目の奥があつくなってきた。
でも、それより言わなければいけないことがある。