颯くんの口があんぐりとあいたまま、目だけで『聞いたろ!?』と言いだけにうったえてくる。


「……ま、何かしらは居そうですね」

「何かって?やっぱり泥棒さん?」



泥棒さん……



雪さんが可愛らしくて、ちょっとだけつい気持ちが和んでしまう。

でもダメだそんなことしていては。



「わたしも上に行きます」

「は!?馬鹿か!お、お前はやめとけ!こういうのは男に任せるのが筋だろ!?女子として!」


立ち上がるわたしをすぐさま止めにきた颯くんは、やめろと首を振る。
その近くで、雪さんも響くんも同意なのか頷くけど……


「わたしには松葉杖って武器があるし。それに停電とか暗いのとかこういうの慣れてるから大丈夫!」