──ご丁寧に簡易的な地図を響くんに書いてもらい、それを頼りにわたしはピアノのがある部屋へと向かった。
連れていこうか、と二人とも言ってくれたけど、居なかったら戻ると言って一人やって来たわけだけど……
地図と照らし合わせ、何番目の部屋か確認して歩くも、ピアノの音はしてこない。
やっぱり部屋に戻ったのかな。
「……ここだ」
控えめにノックを三回してみるも、反応は無し。
ドアに引っ付いて耳を澄ませても、これといって何も聞こえない。
このまま戻ってもいいのだけど、もう一度だけノックをしてダメだったから、ゆっくりとドアノブに手をかけると……
──あいたっ
数センチ開けたところで、綺麗なメロディが響き、中を覗けば雪さんがいた。
薄手のカーテンがしまっていて、部屋全体が薄暗い中、雪さんは少し弾いてはやめ、弾いてはやめを繰り返している。



