御曹司たちの溺愛レベル上昇中



なんとなくわたしもしゃがんで、鍵を見せる。


「村田さんが三人に話してあるって言ってたんだけど……」
「は?何を?」

頭を抱えながらも、小鳥遊くんは顔を上げてくれた。

「わたしが新しく──」



「何してるんですか?」


会話の途中に入った声に振り向けば、同じ制服を纏った茶髪の男の子がいた。

わたしと目が合うと、あぁ……と表情変えずにこちらに歩み寄ってくる。


「貴女でしょう。今日からここで暮らす人」

「あ、はいっ……」
「はぁ!?」


立ち上がって頷いたわたしの声が、小鳥遊くんの声にかきけされた。
おまかに耳キーンってなっちゃった……。


「何驚いてるんです?聞いてたでしょう。村田さんから」
「だから何を!」

しゃがんだままの小鳥遊くんに、茶髪の男の子は呆れた様子で、ため息をついた。

「……新しく引っ越してくる人がいるから、仲良くお願いしますーって。村田さんのことだから、言い忘れとかあり得ないと思いますけど?」

「俺はそんな話聞いてな……」


あれ、小鳥遊くんがフリーズした。