『──だ!!──ぎ!!』


──ん?


今ものすごい大きな声がしたような……

というかここどこだっけ。


迷ってから、またうろついた果てに足休めをしようと近くの部屋に入って……


「寝落ち……」


頭上からバタバタと忙しなく走る音が聞こえてくるし、

『どこ!?返事して』という声もにわかに届いてくる。


別荘内で御曹司たちの──私捜索が行われていることに若干冷や汗が滲む……

朝っぱらからこんな状況をつくってしまったのが申し訳ない。


「……って、まずは出ていかないと」


いつまでもこの状況を続かせるわけにいかない。
それに、ちゃんと謝らないとだ……