お風呂も部屋の広さも、想像以上に広く高級感たっぷりで、ほんとお嬢様気分。


朝早く窓の外にいた鳥の声で優雅な目覚め方をしたから、誰も起きないうちにと思って……

別荘内を探検しはじめたわたし。


『別に全部の部屋見ても構わない』と事前に聞いていたから、一応ひとつずつノックしてお邪魔したり、上からプールを見下ろしたりして楽しんでいた。


しかし、困ったことがひとつ。



「……どこ、ここ」


別荘内で迷うっていう事態に陥ってしまった。

四方八方見渡してもどこにいっても高級な廊下と絵画と……ツボ。


「さっきもここにこのツボあったような……いや、もう少し形ちがったかな?」


貧乏人がひとりで高級な場所をうろつくとこうなるのか、と思う。
でも意外と落ち着いてるのも事実。


「歩いてたらそのうち玄関とか部屋の前に着くかも」


そう思ってまた、今度は戻るために歩き出した。