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むかえた八月。

わたしは……人生初の別荘へ。


リムジンも初めてで、子供のようなはしゃぎかたをしてしまったけど、トランプをしたり、しりとりをしたり、移動時間は全く苦にならなくて。
乗り心地も最高だった……


そして、楽しい移動時間を経て──
着いた小鳥遊家別荘。


「……久々だなぁ、だけど全然綺麗じゃんか。んで、小柳、見た感想は?」

「お城?」

「言うと思った」





中に入って部屋を案内してもらった後、松葉杖に切り替えたわたしは、あまりの広さにひとり、目を輝かせていた。

「た、探検してもいい!?」


「は?探検って……子供かよ。しかもその足で。却下だな」

「まあ、休みはまだありますし、探検は少し良くなってからにしましょ」

それよりも、と響くんはわたしに例の物を渡してきた。

「これ来て、プール行きましょうね。着替える場所はプールサイドにありますから」


水着を。


「よっしゃ行くぞ!」

「……あれ、琉衣ちゃん?」


「あの……プールって、この家のどこかにあるの?」

「あれ、言ってませんでしたっけ?」

「聞いてないよ!?」