本当は玄関まで行きたかったけど、四人同時に手で制された。
共有ルーム前にとどまり、村田さんに一礼する。
「それでは失礼します」
「気を付けろよ」
「また来てくださいね」
「お気をつけて」
「はい、では」
玄関のドアが閉まるまで、村田さんは笑顔だった。
施錠して、颯くんたちがこちらに戻ってくる。
「いやぁ、村田が来たのには驚いたけど別荘楽しみだな」
「俺も、楽しみ」
「久しぶりですからね。……あ、琉衣さん琉衣さん」
「ん?」
響くんが小走りにわたしのもとへ来ると、そっと耳打ちの動作に入るから、わたしも何かと耳を傾ければ……
「水着、持ってますか?」
「水着?学校の──」
「ダメです。買いましょうね」
え──?



