リムジンの情報がさっぱりなわたしに、響くんが説明してくれる。
「テレビや漫画のようなのではなくて、ショートリムジン。短かめのリムジンですね」
「ショート……」
そういう物もあるんだ。
初めて聞いた。
別荘もリムジンも……ほんと凄いなぁ。
「ではわたくしは別荘とリムジン、諸々の手配をしておきますね。ですが……その前に夏休みの課題を終わらせておくこと」
「はぁ!?」
「わかりました」
「頑張ります」
「……琉衣さんも、例外ではありませんよ?」
「は、はい!やっておきます」
村田さんの言葉に背筋が伸び、わたしも何度も頷けば、村田さんは満足そうに笑みを浮かべた。
「よろしい。……それではわたくしはおいとま致しますね」
「えっ、もう帰ってしまうんですか?」
立ち上がる村田さんに、わたしもフラフラと立とうとすれば、響くんと颯くんが支えてくれる。



