「た、大したものではないんですけどっ……」



肩を竦めるわたしに、左右の二人は

そんなことない、と言ってくれる。



「是非とも今度はご馳走になりたいものです。……坊っちゃま方の料理センスはもうお分かりでしょうが、なかなかに壊滅的な故……食を支えて下さる琉衣さんには、村田も頭が上がりません」



座りながらも深々と頭を下げる村田さんに、申し訳なくて、床に座りわたしも頭を下げた。



「アパートのことも、シェアハウスのことも……村田さんに出会ってなければ、わたしこんな楽しく過ごせてません。……お礼を言わないといけないのはわたしの方です。本当にありがとうございます」



……少し、泣きそうになってしまう。


でもそのくらい、わたしは村田さんに感謝しなくてはならない。


お母さんたちの分も。