──三人掛けのソファにわたしを挟んで颯くんと響くん、向かいに村田さんと雪さん。五人がソファに腰掛けたところで、改めて村田さんが急に訪れたのか、という話に。
「で?俺らが何もやらかしてないなら、何だよ」
やらかしてない事に安堵した颯くんは、さっきの焦りは綺麗さっぱりとしたみたい。
「琉衣さんのアパートのお片付けが終わり、夏休みに入ったとのことで、坊っちゃま方と琉衣さんの様子をと」
響くんが淹れた紅茶を口にする村田さん。
なんとも優雅だ……
「なんだそういうことか。なら連絡してくれれば良かったのにな。そしたら旨いお菓子食えたかもだぜ?」
「確かに、そうですよね」
「はて……旨いお菓子とは?」
「琉衣ちゃんのクッキー美味しかったんです」
ほう、と村田さんは穏やかに見つめてくる。



