──あぁ、やっと浴びれる…… 上着を脱いで、足首にサポーターとして巻かれていた包帯をとっていると、扉の向こうから会話が聞こえてきた。 『あーあ、琉衣さん行っちゃった』 『お前が下心あるとか言うから』 『颯くんだって同じようなもんでしょう!?』 『……良かった。琉衣ちゃん一人で入れて』 雪さんはわたしの味方だ……というか扉の前に座って話してる……? なんとなく気になって、扉一枚を挟んだあちら側の会話に耳を澄ませた。