御曹司たちの溺愛レベル上昇中





鍵を開けて、小さく"お邪魔しまーす……"と言って、覗くようにしながら中へ。


「ひ、広いっ……」


万年貧乏、アパート暮らししか経験のないわたしにとっての一軒家は夢のような空間だ。

廊下を歩くだけで、こんなに楽しいのはおかしいかもしれないけど……


「おぉ……」


飾ってある絵画は、何が描かれているのかさっぱりわからない。


「でも高そう……触らないようにしなきゃ」


高そうなものを見ると、ちょっと怖くなる。

落としたら、とか壊したら、とか。


……わたしには無縁な類のものだから余計距離をもって廊下を進む。

フローリング綺麗、なんて思いながら、リビング前の扉……


あ、共有ルームか。に、着いた。



「はぁあ……緊張してきた……。挨拶、挨拶」


最初の印象は大事。

三人と仲良くやっていけるように!

深呼吸を何度か繰り返して、


「よしっ」



気合いを入れて、扉を開けた──





のだけど……




「……え?」


「は……?」



わたしは肩から鞄を、そして同時に……



「なっ、なんでお前がここに!?」



ソファに座っていた


小鳥遊くんが、マフィンを落とした。