ぱちくり──
颯くんのとんでもない発言に一瞬時が止まったように感じられ、
もっと雪さんが可哀想なお顔になっていく。
「……颯、響、ダメだよっ。そんなこと軽々しく言っちゃあ……」
「颯くんも下心丸出しじゃないですか。同級生だから優先的に琉衣さんが選ぶと思って」
「俺と響なら、俺だろ。な?小柳」
「と見せかけて、僕ですよね?」
いや一人で大丈夫、って言いたいのに言わせない空気感が凄い……
もうどちらかと行くことは決まってるような、そんな圧を感じる。
ど、どう乗り切ればいいのか──
助けを求め、半ば絶望の中にいる雪さんに目を向ける。
……だけど無理そう。
かといって、本当にどちらかと行くわけには行かない。
御曹司に見せられる体ではない……というより、
あり得ないでしょう?
高校生の、しかも男女で一緒にお風呂って。
ここはちゃんときっぱり、お断りせねば──
「わ、わたし一人で全然平──」
『却下』



