「……あ、えっと」



理解してつい赤くなってしまったわたしに、響くんは微笑むが……




「おいおいおいおい待てコラ、末っ子お子ちゃまが何言ってんだ?おい」


颯くんに首根っこを掴まれてしまい、響くんは颯くんを睨んだ。



「何」


「何じゃない何じゃ!こっちのセリフだかんなそれ!ほら雪兄も何か言ってやれよ!コイツ一番冷たかったデリカシーなさ男だったのに、今じゃこれだぜ!?あり得ないだろ!……って雪兄?」



雪さんは両手で顔を覆い、なにやら違う違う……と呟いている。



「……おーい、雪兄?」


「違う、今のは俺の聞き間違い。聞き間違いだ。響は女の子にそんなこと言わない子……お風呂に一緒に行くかなんて……言わない、子……言わない」




ちょっとした現実逃避。

しゃがんでしまう雪さんに、颯くんは響くんを解放し雪さんの肩に手を置いた。



「……颯」


雪さんが顔をあげると、



「雪兄、今のは現実だ。響はこういうヤツになったんだ。結構小柳をたぶらかす。それが雪兄の弟、小鳥遊響だ。潔く認めろ」



現実逃避しても意味はない、颯くんは言い切った。