──食事の準備は響くんと颯くんが、あーだのこーだの言いながら時間をかけつつも、しっかりと作ってくれて……
後片付けは雪さんがやってくれた。
「至れり尽くせりだ……」
御曹司に。
食後、ソファに移動する颯くんたちをわたしも追おうと渡された松葉杖を使わずケンケンで移動する。
だが──
「こらっ琉衣さん」
「は、はいわかってます!わかってるんだけど、松葉杖って大袈裟というか……なんというか……おわぁ!?」
響くんに注意され、颯くんに抱えられて雪さんの隣に座らせられた。
重いからじたばたしたかった気持ちを押し込め、お礼を言うと、颯くんと響くんは同時にやれやれと肩を竦める。
「このお転婆っ」
「同意します。琉衣さん、横着しないで松葉杖使って下さい。片方の足に負担がかかるでしょう」
「……んー」
「小柳ぃ?」
「琉衣さん?」
「はい……」
言うことを聞きなさい、そんな目で見られ素直に頷くしかなかった。



