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わたしと颯くんが並んでソファに座っていると、
玄関からバタバタと忙しない音がして、





「琉衣さん大丈夫っ!?」




勢いよく入ってきたのは響くんだった。

まっすぐにわたしのとこに走ってきて、足の状態を聞いてきた。




「病院行ったんでしょ?どうだったんです?」



「捻挫だよ、捻挫。重症の方のな」


「重症って、どれくらいで治るんですか?」


「三週間くらいって言われちゃった」


「言われちゃったって……」



響くんは、笑うわたしの足を痛々しそうに見つめる。


大丈夫だよ、と口にしようと思った時、勝手口の方から雪さんが……



「響っ……早すぎ、るよ……俺、ついていけな……はぁっ」



ものすごい息を切らして入ってきて、そのまま床にへたりこんだ。




「お前雪兄と一緒だったの?」


「学校出てすぐの時はね。走ってたら、いつの間に居なくなって置いてきました」


「置いてきたんだ……雪さん、大丈夫ですか?」



肩で息をしている雪さんのそばに行きたいけど、今は簡単なことじゃなくて……同じ目線になるのがやっと。



「……俺のことはどうでもいいんだっ。琉衣ちゃん大丈夫!?頭とか体とかッぜ、全部……!!」



四つん這いで来た雪さんに、颯くんが歩み寄って背中を擦った。



「雪兄焦りすぎだろ……頭は打ってねぇよ。響にも言ったけど、めちゃくちゃひどい捻挫」


「捻挫……折れたりしてないんだね。とりあえずよかった」


「本当。明日から夏休みっていうのだけは、不幸中の幸いかな。通いがなくなりますから」


「うん、ゆっくり休んで治すよ」