目がチカチカする中で、近くにいた三年の男子がわたしに手を伸ばしてくるのがうっすらと見えた。 だけど── 「小柳!!」 颯くんの方が先にわたしの体を起こし、抱えて立ち上がると、呆然とする皆を退けて走り出した。 「小柳さっ──」 「どけ!」 慌てる先生達の言葉を無視して、人ごみを払い、保健室まで突っ切っていく。