駄目だめ、立ち上がってわたしも拍手を送った。
「次奥のコートで男子と女子のBチーム始まるよ!」
「琉衣ちゃんも行こ!」
階段をおりていく皆に付いていくため、わたしも向かおうとしたのだけど、
「小柳!」
試合終わりの颯くんがステージ下でピースを向けてきて、颯くんの声にわたしと一緒に立ち止まった彼女の前でやるのもと……笑顔だけ軽く返しておいた。
先におりて走って行った彼女に、申し訳なさを感じるけど、これがわたしたちの普通だから。
距離を置いたり、無視したり出来ない。
そこは変えられないことは理解してほしい。
それにわたしは恋よりアパートだから……
そうだ、村田さんに荷物回収の日立ちあっていいか聞いておこうかな。
不要ですと言われたけど、やっぱり人任せのまま最後ってよくないし。
試合始まる前に村田さんに連絡いれとこ。
後は──……っ!?
階段の途中、一段踏み外してしまい、
一気に下へと体が持っていかれた。
そのまま床へと転落し──物凄い音が体育館に響き渡っていく。
ダァァン──!!
楽しげな会話や応援が悲鳴へと一瞬で変わり、体に痛みが走っていった。



