よっしゃー!と颯くんたちが盛り上がりを見せ、他のコートでも同じような声が響く。
──あ、一年生……でも響くんは違うのか。
試合の様子を見渡してみると、一年のクラス同士が試合をしていたが、響くんのtシャツは違った。
……今思えば、学年は知ってても響くんと雪さんのクラスまでは聞いてなかったんだなぁ。
tシャツを見て、なんとなくクラスがわかったけど。
颯くんはあの通り活発に動くけど、あの二人の運動姿は初めて見る……
それに、響くんは楽しそうに友達と話してるけど、雪さんは階段のところに静かに座ってたし……想像つかないや。
「颯ナイス!」
「おうっ!」
颯くんの笑顔でハイタッチしてる姿に、この間のドッジボールを思い出す。
──同じ顔してるっ
「ねぇ琉衣ちゃん」
「ん?」
文化系の一人が小声でわたしに声をかけてきて、耳打ちしようとするから顔を寄せれば、
「琉衣ちゃんと小鳥遊くんって付き合ってるの?」
「えっ?どうして?」
「小鳥遊くん、他の女子と余り話さないけど……琉衣ちゃんとは話すのよく見るから」
穏やかに言われたけど、そんなこと言われたことなかったから少し動揺してしまう。
ルームシェアとか、ぽろっと口走らないようにしないと……
「……中学でもクラス一緒だったからね。仲は悪くないと思うけどそんなんじゃないよ」
わたしは首も手も振って否定した。
「そっかっ……」
あ──
わたしの言葉に心なしか上がった口角に感じるものがあった。
彼女はもしかしたら颯くんのこと好き?か、気になってるからわたしに聞いたのかも──と。



