「──お待たせ。おにぎり残ってたよ」
「おう」
何を食べるか颯くんに聞いて、わたしがコンビニで買ってくる間、脚立があるから外で待ってもらった。
「いくらだった?」
颯くんが後ろポケットから財布を取り出そうとするけど、わたしは首を振る。
「大丈夫。今日のお礼に奢らせて?」
「……お前に奢らせるの気が引けるんだけど俺」
すごい不満そう……
確かにわたしは万年貧乏生活ですけども。
購買のメロンパン一つで嬉しくなるし……
でもこれくらいならわたしだって金欠にはなりはしない。
「いいのっこういう機会滅多にないし、ね?」
「……わかった。今日は、な」
財布を掴んでいた手を離し、颯くんは笑ってくれた。
「じゃ、公園行こ。……あっその前に交代!」
脚立頂戴、と手を伸ばせば、
「やだ。それより早く公園に連れてけ」
「え、でもっ」
朝のようだけど、より雑に背中を押されながら歩き、その途中にも代わると言ったけど、結局公園に着いてしまった。



