この想いが、キミに届きますように。


「じ、時間!そ、そろそろ帰らないと遅くなっちゃうかなって……」


咄嗟に思いついた言い訳。

あまりに不自然なそれは、だけど彼は特別疑いもせず、同じように視線の先を時計に移すと、「あー、ほんとだね」と呟いて自分の席に戻り、帰り支度に取りかかった。


そのことに酷く安堵しながら、私は既に帰宅の準備が整ってある鞄を手に取って、そそくさと教室を出ようとする。




――やっぱり、私はダメなんだ。




少しは大丈夫になったと思っていたのに。全然ダメだった。
ちょっとしたことで、すぐスタート地点に戻ってしまう。


「わざわざゲームさせてくれてありがとう。じゃ、じゃあ……、また、あした……」


背を向けたまま、ぎこちなくそう告げる私。


急な態度の変わり様に、月島くんはどう思うんだろう。


嫌なヤツ、って思われた、かな。


……でも、こんなちょっとしたことで毎度毎度彼に嫌な思いをさせるくらいなら、もうここで終わってしまった方がいいのかもしれない。