逃げ道を探すには遅すぎた

数分後にきちんと運ばれてきた料理を見て、シャノンとウィリアムは驚いていた。それを見ながら私はフフッと笑ってしまった。二人ともすごく可愛い。あっ、私もちゃんとカレーを頼んだよ！

「いただきます」

英語で何て言うのかわからなくて、手を合わせながら日本語で言う。シャノンとウィリアムは不思議そうにその光景を見た後、互いを見て同じように手を合わせた。

シャノンとウィリアムは恐る恐る料理を口にした。その瞬間、頰が赤く染まってパクパクと料理を食べていく。おいしかったみたいでよかった。

『二人が元の時代に帰れる方法を探さなきゃね』

私がそう言うと、ウィリアムが食べる手を止めた。そして上目遣いで私を見つめる。その口元にはソースがついていた。

『帰れるまで、雫さんのところでお世話になってもいいですか？』

『もちろんだよ』

いきなり未来の世界に来て不安でいっぱいのはず。私が二人を守ってあげないと。ウィリアムの口元のソースを拭いてあげながら笑顔で答えると、彼の顔が真っ赤に染まった。