逃げ道を探すには遅すぎた

「シャノン、大きくなってたな……」

いくつなんだろう。どんな仕事をしているのかな。そんなことを考えながらお風呂を出ると、着替えが置かれていた。シャノンのシャツだ。

「大きい……」

日本人平均より少し低い身長の私には、百八十センチを超えているであろうシャノンのシャツは大きい。でも雨で濡れた服をもう一度着るわけにはいかないし、甘えておこう。

「おっ、ちゃんと温まったか?スープここに置いとくから食えよ」

シャノンはテーブルにスープを起き、自分もお風呂に入るために部屋を出て行く。出て行く間際に私の頭を撫でていった。撫でるのは私の役割りなのに……。そう思いながらも椅子に座る。

「いただきます」

この日飲んだスープは、今まで飲んだスープの中で一番おいしかった。

それから、お風呂から出たシャノンに色々と質問をした。

「シャノンは今何歳なの?」

「二十四だ」

私より年上だ。私は一番気になった質問をぶつけてみる。

「私が死んだ後、ちゃんとこの時代に帰れた?」

「……ああ。雫が死んですぐ、俺とウィリアムは元の時代に戻っていた」