神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜

何だかイライラしながら、奥に進むと。

「あっ…」

「…シュニィ…」

今度は、シュニィと鉢合わせした。

…よう。

シュニィまで、俺を見るなり顔を青くしていた。

「…じゅ…ジュリスさん。お…お、お帰りなさい…」

「…目が泳いでるぞ」

「ひっ…」

こっち見ろよ。何で目ぇ逸らすんだ。シュニィまで。

「さっきキュレムに会ったが、キュレムも態度がおかしかったぞ」

「そ、それは…」

「何なんだよ。なんか俺が帰ってきて悪いことでもあるのか?」

もし俺が邪魔ってんなら、もう一回どっか行くぞ。

俺だって、嫌がられながら仕事したくはないからな。

聖魔騎士団を出ていって…イーニシュフェルト魔導学院にでも雇ってもらうよ。

「わ…悪いことはないんです。ごめんなさい、気を悪くしないでください…」

気を悪くするなって言われても、あんな態度じゃ、嫌でも気を悪くするだろ。

「ですが、その…。ジュリスさんが出張中に…色々ありまして…」

「…色々?って何?」

「それは…み、見てもらえば分かると思うんですけど…」

「…?」

「あの…驚かないでくださいね」

…そんな前置きされると、余計に不安が募るんだが?

…更に。

「…どうなった?ジュリス、激おこ?」

さっき姿をくらましたはずのキュレムが、俺の様子が気になったのか、戻ってきた。

…激おこ?

「…何だよ。怒られるようなことしたのか?」

「いえ…その…。私達ではなくて…」

「…」

「…ベリクリーデさんのこと、なんですけど」

「…!」

ベリクリーデだと?

…そういや、あいつ…まだ姿を見てないな。

「何処にいるんだ。あいつは」

「あ、あの…」

「あいつが何かしたのか?」

「…ジュリスさん、あの…目が怖いです…」

お、おぉ。ごめん。つい…。

「ベリクリーデさんは…今、裏庭にいらっしゃるんですけど…」

「裏庭…」

隊舎の裏庭のことだよな?

…あいつ、そんなところで何してんの?

「あの…驚かないでくださいね…」

…二回目。

そんなに念押しするようなことなのか。

あいつ、また何か変なことやってんのか?

大人しくしてろ、って言ったのに。

「ご、ご案内します…」

「…畜生。俺は逃げると言いたいところだけど、シュニィちゃんにもしものことがあったら、それはそれでアトラスに殺されるし…。…俺もついていくよ」

「ありがとうございます、キュレムさん…」

何だよ、もしものことって。