ポリスに恋した

もう何問目だろう。

このままじゃ、テストがヤバいよ!

「大丈夫だ、まだ時間はある。焦らずコツコツな」

「うん、ありがとう!」

颯は優しくて、面倒見がいい。

そして、その日から毎日勉強し続けた。

テストも、いつもよりはできたはず。

ただいま数学の授業中。

「数学のテスト返すぞ〜。相川、井上…」

自分の名前が呼ばれるのが近づくにつれ、心拍数が増す。

「春野」「ひゃい!」

思わず噛んでしまい、教室から少し笑いが起きる。

恥ずかしい…。

下を向きながら教卓まで行き、先生の顔色を窺う。

いつもなら、鋭い眼光でこっちを睨んでくるのに…。

あれ?

おかしいな、睨まれない。

「春野。おまえ、腹でも壊したのか?こんな点数取るなんて」

「え?」

テスト用紙を見ると、89という文字が。

え?え?

「これ、夢?」

自分の頬を引っ張ってみる。…かなりヒリヒリする。

「夢じゃない!」