ポリスに恋した

「いや、ダメだ。...ちゃんと話そう」

「玲於くん...」

「俺、殴られて頭打って、目が覚めた時には桜のこと忘れてしまってたんだ...。しかも、桜のことだけ忘れるなんて最低だよな。ほんとごめんな」

そんな、玲於くんが謝ることじゃない。

謝ることじゃないのに。

どうしてだろう、涙が止まらないんだ。

「陽太に泣かせるなって言われたのに、めっちゃ泣かせてるし。...ほんと俺って不甲斐ないな」

「そんなことない!」

玲於くんが、私のことを忘れてしまったと突きつけられた時は、絶望のような感情を覚えた。

それでも、今こうして『桜』って呼んでくれて、生きててくれて...。

私、これ以上の幸せなんて知らないよ。