ポリスに恋した

車が病院に着いて、必死で走る。

「あの、玲於くん、玲於くんは」

「すみません、葉山玲於、いますか。友達です」

「はい、現在手術中です」




お兄ちゃんに引きずられるながら、玲於くんの元へとたどり着く。

『集中治療室』と書かれた文字の赤いランプを見つめ、不安で体は震え、涙も止まらない。

玲於くん、玲於くん...。

もしも、玲於くんともう会えなかったらどうしよう。

神様、お願いします。どうか、玲於くんを助けてください。

お願いします...。

私の震える手を、お兄ちゃんがぎゅっと包み込んでくれる。

「大丈夫だ。玲於なら、きっと大丈夫だから」

扉が開き、お医者さんや看護師さんたちが出てくる。

でも、その表情は固く強ばっている。

「最善は尽くしました。...ですが、強く殴られたようで損傷が激しいです。後は本人次第かと」