「可愛いを自覚した女のほうが、好き」




……、あ、だめだ。



酔っ払っているあたし。あたしは今、瑛くんの優しさに甘えてなにをしても許されると驕って、可愛くないくせに可愛いふりをしようとしている。



駆け引きなんか知らないくせに、ただのわがままを通そうとしたあたしに少しだけ現実を突きつけられた気がする。



それでもあたし、きっと目が覚めたら記憶はないし、今だけのちょっぴり寂しい感情に留めておくね。



瑛くんと再会してから、今、初めて、目が合っているのにあたしを見ていない、気がしたの。





この世の全ての優しさをかき集めたみたいな、その顔、あたしに向けてない。