唇が離れて、顔が離れた。 もう少し、だなんてはしたなく思う感情を止められる理性なんて残っていなかったし、そもそも残らないようにお酒をもらってあたしから仕掛けたんだった。 そして目の前の初恋だったっぽい人は、今の可愛くないあたしのことを“可愛い”と言っている、気がする。流石に幻聴? 「柚果」 「んぅ、」 「酒でふわふわしてる女にこれ以上手ぇ出す趣味はないけど。でも俺、」 言葉を紡ぐと同時、頬を大きな手で掬われて、あたしの熱がひんやりとしたそれに伝染していく。