甘さなんかいらない




無許可はあんただけ、有許可は一度もない。つまりあたしは、瑛くんとの触れるだけのキスしか知らないんだ。




「……ない。無許可なキスを瑛くんにだけされてる」


「……へー。“だけ”ってさ?その特別を重く感じる男と嬉しく感じる男がいる。ちなみに俺は、ゆず限定で後者かな」




何それ、なにそれ。必殺ちなみ攻撃だ。見下ろされているその瞳にひとつ、甘さが加わった気がした。


甘いもカワイイも、あたしにはもう必要なくて捨てたものなのに。


特別を重く感じる女と嬉しく感じる女。今まで選ばれてこなかったあたし。──後者に決まっている。




アルコールのせいで元々顔は熱かったはず、だけど上書きしていくように瑛くんの言葉で熱が顔に集まっていくのがわかる。