あたしが席についたことを確認したゼミ長が立ち上がって今日の臨時招集の理由をつらつら話し始める。そんな理由もゼミの本題もどーでもよくて、あたしの頭は田邊瑛斗でいっぱいだ。 意地でも目を合わせないようにしているけど、こんなに頭の中支配してくるならなんの意味もない。 ゼミ長の話なんて1ミリも入ってこないあたしに、いつかもあったような1枚のルーズリーフが机の上に現れた。 ゼミでメモすることなんかないくせに、相変わらず無駄に綺麗な字があたしの意識を引っ張る。 【ゆず、怒ってる? 本当にごめん】