瑛くんに会う勇気がなくて今日も木1おじいちゃん必修を欠席しているのに、半強制的に顔を合わせる予定ができてしまった。
気持ちが地を這うようなイレギュラーだ。
あの日からいくらか日が経った。
瑛くんの特別な人のことを、──遥乃さんのことを、聞く勇気なんてなく。
聞いてしまったら、確認してしまったら、答え合わせを知ってしまったら、もう立ち直れる気がしない。中学の頃や高校の時とは違う、ニセモノの気持ちではないこと、自分が一番わかっているから。
日々、隣に瑛くんのいない喪失感は増すばかり。
……まだ、この気持ちをはっきり音にして、言葉にして、空には放っていないから、確信に変えることはしていない。
傷つきたくなくて自分を守ることでいっぱいいっぱいだから。



