甘さなんかいらない




もう来なくなったメッセージたち。いつだって不正解を正解に反転してしまうような瑛くんからこんなにも謝罪の言葉を聞くのは初めてだった。


顔を見ているわけでも声を聞いているわけでもないのに、申し訳なさそうに眉を下げる表情と、弱そうに顔色を伺うような声が浮かんでくる。



けれどきっとそれもあたしが勝手に考えているだけ、勝手に思い浮かんでいるだけ。



あたしは何も瑛くんのことをわかっていなくて、あたしは“特別”なんかじゃない。他の同級生たちとなんら変わらない。



既読の通知だけ送りつけて何も返さないあたし。このまま瑛くんと関わることなくなるんだろうか、と考えて、逃げているのは自分だと再認識して。



でも向き合ったところで彼の心の中には、人生の中心にはあたし以外がいるのだから、どうにもならない。




──遥乃さんを捉えたあの優しい瞳を、星がゆらめいたような温かな光を、忘れられない。

あの表情をあたしに向けさせる自信が1ミリたりともない。