極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜



「ナイフ、振り回してるイカれた奴が居たから。止めに入ったらサクッと切られた」


……はい?

イカれているのは貴方も同じでは?



「踏み込んじゃいけねぇ領域ってのがこの世界にはあんだよ。暗黙のルールみたいな…こっからこっちは誰々の陣地…的な?その一線を越えて人のシマで好き勝手やられると、やり合うしかねぇんだわ」


「……全然、意味分かんない」


「だろうね、お前バカだからなぁ…」



要するに…勝手に陣地を荒らされたことに怒ったところ喧嘩になってしまった…ということ?



「……で?用件は?」



用件を尋ねられて、自分の膝のケガのことを思い出した。



「あ…あの、救急箱を借りたくて、」


「……んだよ、ケガでもしたか?」



容赦なく歩み寄ってくる新次郎は、私の目の前でしゃがみ込むと─…




「……やっぱ剛田のやつ、殺《や》っとくか」



なんて物騒な言葉が飛んできたので、慌てて擦りむいた傷を手で覆って隠した。