「……やだ」
「お前には関係ない話だ」
「いやだっ…」
「いい加減にしろ、どうもしてやれない」
「嫌だってっ…!」
「……お前が嘆いたところで何も変わらない。俺は近いうちにアイツと一緒になる。もう決まったことだ、お前と出会うずっと…前から。」
私と目を合わすことを辞めた仁睦さんは、視線を窓の外に逃がしながら珈琲を飲み始める。
───珈琲になりたい。
仁睦さんに飲んでもらえる珈琲になって体内に侵入して内側から攻め立ててやりたい。
…私と出会うよりずっと前からの付き合い、なんてわざわざ口にしなくてもいーのに。意地悪だな…まったく。
「……新次郎に推し変してもいいの?」
「…それは、おもしろくねぇな」
「じゃあ、愛人にしてくれる?」
「お前は俺の妹ポジだってこと、忘れんな」
「……嫁と妹、どっちが大事?」
「………は?」



