その人は私の代わりにキッズケータイを耳に押し当てると、、
「─…見つけた、俺が連れて戻る」
そう言って一方的に通話を終了させ…再び私の手にキッズケータイを握らせた。
そのまま向かいのソファー席に腰を下ろして、メニュー表を手に取ると私の方に向けて開いてくれる。
「何か頼め。店に迷惑だろ」
上手く状況が理解できない。どうしていま目の前に推しの姿があるのだろう?幻覚?幻聴?
推しである仁睦さんの突然の登場に、ただただ驚くばかりで…メニュー表なんてものを見ている余裕はなかった。
そんな私を見て舌打ちをした仁睦さんは、勝手に店員さんを呼び、珈琲とココアを注文した。
店員さんが去った後、沈黙が流れて…なんとも気まずい雰囲気がただよう。どうして何も言わないのだろうか?怒りを通り越して呆れてるとか?



