「……もしもし」
『…っ、英里?英里かっ?!』
ひらり、なんて名前で呼ばれたのは初めてだ。相当焦っているようなその声色にこちらは逆に冷静でいられる。
「新次郎さん、どーしたのっ、」
『…何処にいる?すぐに迎えに行く』
「……歩いて帰るから大丈夫」
『だからっ、歩いて迎えに行ってやるから!どこにいんのか教えろって言ってんだよ!!!』
怒鳴らないで欲しい。どうせ見つかったら怒られる。少しだけでいいから一人で居させて欲しかった。
「すぐ近くにいるから平気…屋敷で待ってて」
『…黙れ、決めるのはお前じゃない』
よく言うよ、私のこと…人に任せたクセに。
「………カラオケが入ってるビルの1階にある、女子高生に人気のオシャレなかふぇ、」
観念して居場所を新次郎に伝えた時…耳に押し当てていたキッズケータイを突如として現れた何者かに奪われた



