……情けないっ、
もういい大人なのに、未だ過去にとらわれている事を恥ずかしく思う。克服しようと思ったことは過去に何度かあったが…どれも失敗に終わった。
友達と出かける時は基本電車行動。私に気を使ったのか紗弓は未だに運転免許を持っていない。その理由を聞けば─…
【英里と遊ぶのに車なんて必要無いし、私に運転させるような彼氏なんて要らない。送り迎え必須の彼氏作るからなんの問題もない】
なんてカッコイイことを言ってくれた時は、うっかり惚れてしまいそうになった。
………紗弓に会いたい。
そんな思いからキッズケータイを取り出してすぐに友人と連絡先を取ることが出来ないことを思い出し落胆した。
…が、手にしたキッズケータイには有り得ないほどの不在着信が入っていて一気に現実に引き戻された。
”兄”と”新次郎”の文字が交互に並んでいる着信履歴。それをボーッと眺めていると、まさに後者であるお世話係のサブ…新次郎からの着信を告げた。
出ようか迷ったものの、剛田さんの安否が気になるのでおそるおそる通話ボタンを押してみる。



