既に私に背を向けて立ち去ろうとしている推しを追いかけて、来た時と同様に背後からガバッと抱きついてみせた。
「……怒鳴られたくねぇなら、今すぐ離れろ」
「嫌です、私も連れてってください」
「行けるわけねぇよな?…大概にしろや」
「あの人イヤです、怖いです。”ガキに欲情する低俗な人間”新次郎ですよ!?仁睦さんが帰ってきた頃には私の貞操が既に奪われたあとの可能性が高いです。どうせならその前に仁睦さんに貰っていただければっ、」
「……で?結局何が言いたい?」
「一人残されるのは─…寂しい。」
このお屋敷にいる間、ほとんどの時間を今のところ仁睦さんと一緒に過ごしている。眠っていた時間そばに居てくれたかは不明だが、目が覚めてから今まで、ずっと一緒だった。
そんな彼が出ていったあと、一人でこの屋敷で居るということがただ単純に…不安だった。
頭上からお得意のため息が聞こえてきたところで、大人しく離れようと手の力を緩めた時─…
ポンっ…と、頭の上に推しの手が乗っかった。
──この状況の頭ポンポンは爆死なのだが?
「お前、一応俺の妹扱いだから。誰も手を出したりしない」
「で…も、しんじろ、」
「新次郎は俺が一番信頼出来る男だ。それでも不満か?」
……推しの信頼出来る男は、、
私にとっても信頼出来る男だ!!



