「緊張から解き放たれて、もう一歩も歩けそうにありません。…抱っこしてください」
ん…っと、両手を伸ばして抱っこを要求した私に冷たい視線を送ってきた仁睦さんは何も言うことなく奥へと足を進める。
仕方なく彼の後を続いて部屋に足を踏み入れると、背後の襖が閉めてもいないのに勝手に閉められたことに驚き、思わず少し先にいる仁睦さんに抱き着いてしまった。
「……何してる」
「いや、これは不可抗力というやつで、、っていうかあの襖は自動なんですか?」
「お前がグズグズしてるから、その辺に居た誰かが気ぃ効かせて閉めたってところだろ」
「…え?!近くに誰か居ました?!私と仁睦さん以外に誰か居ましたっけ?!」
「うるせぇ…嘆くな。」
「ホラー現象っ…ポルターガイスト!一人じゃ眠れないです!今日は一緒に寝てください!」
ギューッとしがみついて離れない私の頭上から推しの盛大なため息が聞こえてくる。
「オカルトよりもっと恐いもん、この先見ることになるだろうから…今のうちに慣れておけ」
って…そんなスパルタな鍛え方、嫌だっ!!!



