極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜



「そうか、ありがとう。聞きたかったのはそれだけなんだ。わざわざ出向いてもらって悪かったね?─…仁睦、そこに居るんだろ?」


え、それだけ?っと拍子抜けしたとき、背後からスっと襖が開かれる音がして…先程出ていったはずの仁睦さんが私の隣にそっと膝をついた



「……嘘は良くないよ、仁睦。自分の妹だってことにすれば…屋敷から出してあげられると考えたんだろうけど、脇が甘かったね」



……やはり仁睦さんは、私の為に”兄だ”と周囲に嘘をついてくれていたのだ。



「英里さん、もう一つ…尋ねてもいいかな?」


もはや私に拒否権なんてものは存在していないだろうと、首を縦にふって承諾の意思を伝えると…会長サマは足元にあるタブレットを操作してから画面をこちらに向ける。



「ここに映っているのは、英里さん?」


見せられた一枚写真…それはあの日、フラフラ千鳥足男に変なモノを見せられそうになったところを助けてくれた仁睦さんに─…酔っぱラッパー状態の私が路チューを披露してみせた時の衝撃の絵面。



「……その反応は、間違いなさそうだね?」


自分が今どんな顔をしているのか分からないが可能であればその尊いお写真を譲って頂きたいと思っている…なんてことは口にはできない。



「これ、匿名で送られてきた写真なんだけど。仁睦は”離れて暮らしていた妹が突然会いに来た際に勢い余ってとった行動がこれだ”って言うんだけど…違うよね?だって兄じゃないんでしょ?」



……どうしよう、っと助けを求める思いで隣にいる仁睦さんに視線を送るものの…彼は私のことを見てはくれない。



でも…私にとっての兄は世界で一人しか居ないし、仁睦さんには兄ではなく恋人になってもらいたいので、、



「…はい、仁睦さんは私の兄では無いです。その写真に映っているのは紛れもなく私ですがキスをした理由は”兄に会えて歓喜する妹”では無く、”推しに巡り会えた女子大生の暴走”といったところです」



何もかも包み隠さずに打ち明けた私に、隣に座る仁睦さんから鋭い視線が飛んできた。