「んっ…仁睦さん、待って…」
「…なんだ、そんな顔で”待て”なんて言われたところでまるで説得力がない」
「そっ、そんな顔ってどんな顔、」
「どんなって……ぶさい、」
「わーわーわーっ!不細工って言わないで!!」
「……冗談だろ、喚くな」
剛田さんが居るし、状況もよく分からないままキスを続ける気になれず……待って欲しいと頼んだ私に”不細工”だと言ってくる仁睦さんは通常運転
私を膝の上に乗せて片手で腰を抱き、空いた方の手で髪を撫でるこの距離感はもはや…彼氏を通り越して旦那、夫っ!!
もうこのまま婚姻届を取りに行きませんか?と言いたいところではありますが、その前に話し合うべきことが沢山ある気がするので…大人しく口を閉じることにした。
そんな中、道が悪かったのか…車体が一度激しく揺れた振動で倒れそうになった私の身体を仁睦さんがキツく抱きしめてくれた。
その際に、髪を撫でていた手が一度下ろされ…落ちかけた私の脚に仁睦さんが触れた瞬間、
「ぅ、痛い……」
すっかり忘れていたが、先程の男たちに太ももを傷つけられていたことをたった今…思い出した。
アドレナリンでも出ていたのか、痛みを感じずにここまでやり過ごしてきたが…仁睦さんという安心材料を手に入れた今の私はようやく気が抜くことが出来たのか……徐々に負傷した箇所が痛みを伴いはじめた。



