極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜



その時…トンっと後ろから肩を叩かれて、驚いて身体が飛び跳ねた



「ヒラリー嬢、何を騒いでるの?」



……西園寺《さいおんじ》 光《ヒカル》


ナンバーワンホストのような名前のこの男は、事実…大学のミスターコンテストで何度も首位を獲得しているキラキラの王子様的存在。



「ハロー、西園寺殿。ごきげんいかが?」


”ヒラリー嬢”なんて呼んでくるので私は彼のことを西園寺殿と呼んでいる。理由なんてない、ただの遊びだ。



「お嬢が大声をあげるなんて珍しいね。一体何の”推し活”を始めたの?」


どうやら王子の耳に入ってしまったらしい私の推し活事情。まぁだからといって何だという訳でもない。



「聞いてよ光くん。英里ってば極道の推し活始めたとか言い出してさっ、」


「ちょちょちょっ、紗弓さん?!お口、チャックね?!!」



羽のように口の軽い友人にビックリたまげて、慌てて彼女の口元に手を持っていく。



「……極道の推し活?え、なにそれ!面白そう…その話、俺にも聞かせてよ」


キラキラ王子スマイルを私に向けながら、近くの席に腰を下ろした西園寺殿。…面倒なことになったな。