「……スマホはいま手元にないから、後で持ってくる」
「っえ、いいんですか?」
「友達の落とし物、なんだろ?」
「あ…えっと、、」
「─…もう一度だけ聞く。その西園寺って奴は…本当にタダの学生か?」
【タダの西園寺 光として友達でいたい】
光くんのその言葉は…裏を返せば、タダの学生ではないということを意味する。そんなことは考えるまでもない。
私と仁睦さんの路チューショットを見たと言っている時点で普通ではない。”裏ルート”なんて言葉だって使ってた。放火されたことも…私より詳しかった。
「英里、その男は本当にお前の友達?」
──分からないっ、
大学のカフェで突然”明日から俺の言葉は信じないで”と言われたあの瞬間から本当は怖かった。
友達を裏切ることも出来ず、大好きな仁睦さんに嘘をつくこともできない…そんな私が選んだ選択は─…
「…うぅ〜っ、そんなの選べない〜」
キャパを超えてしまったので”泣く”という…ウザく面倒な女ぶりを発揮することしか出来なかった。



