─…よし、この流れに乗って聞いてしまおう
「あの、ところで…私のスマートフォンは今も仁睦さんの手の中にあるのでしょうか?」
ゆっくりと身体を離して、少し上目遣いになるようにして問いかけてみた。
──…しかし、
「……あ?」
っと低い声で返され、一発KOを食らった私にはもう余裕なんてものは存在せず。ただただ頭に思いつく限りの嘘を口走った。
「…っあ、いや!そのっ…じ、実はあのスマホケースの中に超重要なカードを入れたままだったことを思い出しましてですね?それを友達に返せと言われまして…だからなんて言うか、とりあえずケースだけでも返して頂けないかと」
「……誰に、何を言われたって?」
「え…?い、いや…だから!友達が返してって言うから…早く返してあげないとなぁ…って」
「重要なカードなんだろ?お前のスマホを預かってからしばらく経つが…今更返せと言ってくるくらいなら…そこまで重要なモノでもないだろ。」
「そっ…それは、人によると思います!仁睦さんはそうかもしれないけど西園寺殿にとってはずっと探してた大事なものなのかもっ、」
「──…西園寺?」
ん…?あれ、もしかして私…知らぬ間にまた仁睦さんの誘導に導かれて、余計なことを口走ってしまったのでは?
「なに、お前…西園寺って奴と、知り合い?」
─いやいや、貴方こそお知り合いですか?!
っと尋ねたくなる程に低い声で私に威嚇してみせる仁睦さんを見て…やらかしたな、っと瞬時に悟った。



