極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜



なんでこうなったんだろう…?



今朝は確か、いつも見ている朝の情報番組の占いは9位で…ラッキーアイテムがマンゴーラッシーだった。マンゴーが嫌いだからマンゴーラッシーは飲めないなぁ、と諦めてコンビニでフルーツオレを購入してお昼にそれを飲んだ。




それがいけなかったのか?いや、そもそもマンゴーラッシーなんてどこで手に入る?大型のスーパーのドリンク売り場で運が良ければあるかないかくらいの確率でしか売ってなくない?コンビニとかドラッグストアでマンゴーラッシーなんてものはっ、




「…随分と、余裕そうだな?お前何者?怖くねぇの?なに考えてる?」


「……マンゴー、ラッシー」




考えていることを素直に答えた直後、閉ざされていた襖が爆音と共にこちらに吹っ飛んできて、何が起こったのかと襖があった方に目を向けると…目の前の男と同様に黒い塊を手に持ってソレを黙ってこちらに向けている推しの姿を見つけた。




「新次郎《しんじろう》─…手、下ろせ」



仁睦さんに銃口を向けられた目の前の男…新次郎はすぐにその手を下ろし、素早く立ち上がると私から2メートルほど距離をとって離れた。



ナイス、ソーシャルディスタンス。




「申し訳ございません、若、」


「そいつの始末は俺がすると伝えたはずだが」


「…逃げ出したりしていないか、確認をっ」


「──必要ない。指示にないことをする人間は要らない…次はないぞ」


「はい。失礼します」




新次郎が出ていったのを視線で見送ったあと、仁睦さんは私の方に歩みを進める。目の前で立ち止まった彼の手には未だ黒い塊が握られたままで…新次郎さんが退室した今、その銃口は私へと向けられている。