T9000
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いつの間にか景色は変わり、5人は知らない場所に足を着けていた。


周りを見れば、人間のいる形跡も無い所々の窓ガラスが割れたビル…乾燥してヒビ割れたアスファルトの道路…南の方角には海があるらしく、無数のカモメが騒々しい鳴き声を上げて飛び交っていた。


「あぁ…とうとう来ちまった…オイラ達、果たして無事に戻れるんだろうか…」


今まで誰一人戻った事が無いという、このバーチャルワールドで、果たして5人は無事に任務を達成する事が出来るだろうか。


「ところで凪…アタシ達、武器とか何も持って来てないんじゃないの?」


確かに5人の手には何も無い…これで襲って来る刺客と戦えと言うのか?


「その点は心配いりません♪必要な物は、これでメルモさんに連絡すれば何でも送ってくれますから♪」


そう言って、凪はポケットから携帯電話を取り出した。


モニター監視役のメルモはオペレーターにもなっていて、注文された物をプログラムに追加してバーチャルワールドへ送る役目も担っていた。


「じゃあ~とりあえず
ビール♪」


「こらっ!ビール飲んでる場合かっ!」


「そうよ!ひろき!
『お通し』が先よ!」



おい・・・・